協和会ニュース

協和会ニュース59号 2018.10.20

百一歳の母を看取って

  • 昨年、母が百一歳で亡くなった。最後の半年ほど入院したが、ずっと一緒に暮らしてきた。およそ介護20年である。実はこの母の姉も嫁がず同居していたから、この伯母の晩年の世話を考えると30年を超える。
    その頃、介護保険制度が始まり助かった。
    お金のこともさることながら、生活支援やら訪問看護など各種の支援が整いだした。
    むかしに比べると家族が小さくなり、介護も同居する少ない人数で支えることになり、ひとり抱え込む小さな問題を話すことができるようになったり、「こういうサービスがありますよ」「点数に余裕があるからこんなことはどうでしょうか」と、提案してくれるケアマネジャーがいることは、何よりも有り難い。
    デイサービスを勧められ、当初は「あんな知らない人ばかりのところなんて嫌よ」と、言っていたのが通うようになり、やがて月に一回一週間のショートステイにも行ってくれるようになった。


    数多くの薬が処方され服薬準備が大変になると、調剤薬局が毎回の薬を分包してくれるよ
    うになった。小さな尿取りパットを挟むのも嫌がっていたのに、全面的に紙おむつになって、使い捨てのおむつは有り難い。せめて朝食だけでもバランスを考えてと、数種類のおかずを用意していたが、昼食に配食サービスを頼めるようになると、手を抜くことができるようになった。毎夜何回か起こされるのは常になったが、多くの人にいろいろな面で助けられて看取ることができた。
    介護はひとりではできない。夫婦ふたりでもやりきれない。社会のさまざまな制度を活用しながらやり抜くしかない。
    家の中は、介護保険でお願いした手すりがあちこちに有り、手すりだらけである。
    母が逝って一年、初老の息子はそろそろそうした手すりが有り難く、日々過ごしている。理事 菅納敏恭

千駄木の風

  • ある日の朝、千駄木駅エレベーターホールB3で待っている時の事、B3・B2・1階・2階だけのエレベーターなのに、上昇したばかりは意外と待つ事がある。ボタンを押したばかりの紳士と2人でまだかなぁ?と、云わんばかりの顔でお互いに目が合い、紳士が「ここのエレベーターは待つんですよね」と、私は「そうなんですよね」笑顔で頷きながら暫し待った。
    各階に止まりながら下降してきたエレベーターのドアが開き乗り込むと、紳士が1階を押してくれた。
    いつもは必ずという程B2に止まるのに、ストレートに1階に上昇したので、またお互い笑顔で目が合い、紳士は「僕たち今日は良い事がありますよ!」、私もつられて「はい、そうですね」と、
    改札へ向かいながら会釈で別れた。爽やかな一日の始まる朝でした。

災害対応について

  • 今年に入り、西日本豪雨災害・北海道地震など大きな災害がありました。
    被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
    平成23年3月11日の東日本大震災の時は、訪問看護サービス中に震度5強の揺れで、その時刻に訪問していたご利用者様が、私に「冷静に窓を開けて」と、落ち着いた声掛けをしてくれた事や、各担当看護師は、ご利用者様の安否確認に対応した事を思い出しました。  その時の経験を踏まえ、災害に備えてどのような行動が必要かを、ステーションの中で話し合いを重ねています。

    ①ご利用者様の居室は、身の安全確保ができているか確認する。
    ②一人暮らしやご家族が遠方の為、ご利用者様の安否確認を誰が行うのかを、日頃のサービス担当者会議で話し合う事。
    ③いつも服用する定時薬を、災害用に最低3日分ストックできているか、医師・薬剤師と確認する。
    ④災害時に必要な物品が入っている【災害時持ち出し袋】を確認する。
    ⑤通信機能の使用が困難な為、安否確認の為の災害用伝言ダイヤル利用方法の確認をする。
    ⑥停電により、特殊寝台・エアマットの継続利用が困難な場合の対応方法を確認する。

    災害後直ぐに、看護師の活動を再開する事は困難が予測され、看護師がステーションに集まるまでの時間を要するので、医療処置など家族が対応できるように、日頃から確認や話し合いをしておく事も必要でしょう。


    毎年、区役所・町会・消防署・警察等との連携による、町内会で実施される災害訓練にも参加し、火災時の初期消火や瓦礫からの救助方法等の訓練を行っていました。また、断水によりトイレが使えなくなった場合に備え、簡易トイレとして利用できるダンボールで、トイレを実際に作り、使い心地の体験を看護師間で共有しました。
    東日本大震災時の振り返りでは、「医療の必要な人で訪問看護を利用していた人は、病院に行かずに生活が継続できた」「災害弱者にとっては、訪問型サービスは命綱」と、茨城県立中央病院・茨城県がんセンター看護局長角田直枝先生の報告がありました。
    災害は起こる事を視野にいれ、訪問看護ステーションきょうわ・居宅支援事業所きょうわは早期に支援体制が取り組めるように、日々検討を重ねて行く所存です。

看護学校の講義を通して

  • 私は地元の看護学校で8年前から老年看護の講師をしています。
    以前働いていた看護師長の後任を任されたのが始まりでした。
    初めは私が学生に教えるなんて考えられないと思っていました。講義の前にはまず自分が教科書を読み込んでポイントを掴まなくてはならない為、講義で使うプリントを作るのに夜中までパソコンと向き合う日々でした。学生にとっては国家試験に合格して看護師になることが目標であり、話さなければいけないことが山積みです。

    「私が学生に伝えられることは何だろう」と考えた中で思い出すのは、看護学生の小児科実習で、3歳の小児がんの女の子のお母さんとうまくコミュニケーションが取れず、ただ子供と遊ぶことしかできなかった実習でしたが、女の子が亡くなり30年以上経った現在も「病室で楽しそうに遊んでいた姿を思い出します」と年賀状をいただいた事や、老人ホームの実習で、寝たきりの療養者様に話しかけても返事がないので、私はその方の耳元で、放送から流れる童謡をずっと歌い続けたら、帰りに「ありがとう」と言っておやつを手に乗せてくれた事。

    ご利用者様が、娘さんに迷惑をかけたくないので入院を決めた事について、訪問看護師として「一度ご自分の正直な気持ちを娘さんに伝えたらどうですか?」と話すとご利用者様は頷き笑顔を見せてくれた事など、ただ教科書通りではなく、私の経験した中で感じ得た事を伝えると、今まで下を向いていた学生が目を見開き頷きながら聴いてくれました。

    講義が終わると「おばあちゃんが認知症になってオムツを替えてくれないけど、どうしたら良いですか?」「先生の話を、毎回楽しみにしています!」と言ってくれる学生がいます。祖父母と暮らす事が少なくなっている現在、私の講義が役に立つ事はとても嬉しく思います。

    日野原重明先生の『 遺したかった言葉 』の中に書かれている「療養者様を自分の家族だと思って接すること」「人と触れ合える看護はとても素敵で、療養者様は自分の人生にたくさんの宝物をくれること」「人生の最期に寄り添うことができるのは看護師だからこそであり、その場に居られることに感謝の気持ちを持つこと」を、私は必ず学生に伝えています。
    私は講義を通して、自分自身が勉強する機会を与えてもらえた事に、感謝すると共に、これからの看護を担う学生達の役に立てればと思います。

    今後も、人と人の触れ合う看護の楽しさを伝えられるよう頑張ります‼

フレイルはすぐそこに・・・肩こりと格闘して
(フレイルとは、身体機能が低下して虚弱となった状況)

  • 特に原因がわからないまま、気がつけば左腕の筋肉痛が続き、湿布を貼り様子を見ていました。いよいよ我慢の限界で整形外科を受診し、医師から「骨は異常がないから湿布で様子をみて少しずつ動かすように」と言われました。まずはひと安心したのも束の間、なかなか痛みが軽減せず、腕の痛みで目覚め熟睡できない辛い日々を過ごし、日常生活の事をするのもままならず、近くのリラクゼーションソフト整体に行き、整体師から「肩甲骨が背中に張り付いたような状態で筋肉が固くなり、リンパの流れが滞っている状態」と言われました。肩甲骨は本来肋骨の上をすべるように動いているのに、肩こりの人は、肩甲骨が肋骨に癒着したようになって動きがガチガチになっていることが多いと医師から聞いていましたが、実際体感すると痛みに翻弄されました。施術後マッサージで筋肉がほぐれ血行も改善、半年間苦しめられた筋肉痛が消えて身体がやっと軽くなりました。

    体育の日に「65歳以上女性・70歳以上男性の運動能力が向上している」とニュース報道がありました。
    今後、身体面のメンテナンスをしながら「フレイル」の早期発見、そして予防に繋げていきましょう。

  • 協和会の動き
    平成30年10月25日 「高次機能障害のリハビリテーション」地域交流セミナー
    平成31年2月上旬 地域交流セミナー予定
  • 編集後記

    驚く猛暑の夏が過ぎ、すっかり心地良い秋風の季節。10~11月バラは2度目の開花のピークを迎えます。見る者を魅了してやまないバラ、春よりも花色が深まり艶やかな趣あふれる秋バラの園を訪れてみたらいかがでしょうか。

  • 入会のご案内

    協和会は、看護職・介護職の研修をとおして 資質を高め、地域の人々の健康の保持増進を図る団体です。

  • 正会員

    年会費:10,000円
    協和会の趣旨に賛同いただける保健師・助産師・看護師・准看護師・ 介護福祉士ホームヘルパー

    賛助会員

    年会費:3,000円
    協和会の趣旨に賛同いただける個人又は団体

    お問い合わせ先

    一般社団法人東京在宅看護協和会
    訪問看護ステーション・居宅支援事業所 きょうわ

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