協和会ニュース

協和会ニュース63号 2019.10.20

協和会の元看護婦寮のサポートを終えて

  • 協和会は、番トメさんという看護婦を中心に「派遣看護婦の専門的教育及び社会的地位向上を図ること、都民の健康の保持増進に寄与すること」を目的に昭和29年この千駄木の地に産声をあげました。当時看護婦が不足し、患者さんのケアが十分できなかった時代に、患者さん一人ひとりの個別性に合わせた看護を提供することを特色としていたそうです。協和会のある所は、以前佐野東大教授の邸でしたが、教授は派遣看護の事業に共鳴し、およそ3百坪あった土地を譲られました。土地家屋の購入資金は、当時賛同した看護婦仲間が出資し昭和30年には、病院や在宅などに派遣看護婦の活動を始めています。

    その後、昭和43年に「協和会」は、現在の鉄筋コンクリート3階建てに改築しています。在宅看護の歴史を作ってきた先輩諸姉は、介護保険制度がスタートした平成12年に平均年齢も75歳を超えており、「協和会」は老後生活を過ごす場所になっていました。

    前会長木下安子先生には、高齢の元看護婦の居住権を守るという観点と、医療機関に属さない看護師が「自主的に運営する社団法人」を存続するという使命感がありました。先輩諸姉の志を引き継ぎ、看護の実践の場であると共に、学びの場として機能させるという方針のもと「訪問看護ステーションきょうわ」を平成13年に翌年14年には「居宅支援事業所きょうわ」を開設しました。経営が安定するまでは、時間がかかりましたが、地域の方々のご協力やご理解を得て少しずつ安定し活動しています。

    協和会の2.3階に居住された元看護婦の会員は、高齢に伴い入所や入院により退去されています。3年前に一人になったA氏は、身寄りがなく一人で過ごすことに不安があったとおもいますが、介護保険のサービスを受けながら、最後まで施設を選択せず、入院する日まで自宅で過ごし、協和会会員として96年の生涯を全うされました。先輩諸姉の「終の棲家」を維持できたことを、故木下安子先生に報告いたしました。

    今後も先輩諸姉が「協和会」を設立した時のパワーに負けないよう、自立した専門職として、実践と学びの場である「きょうわ」を大切にしながらさらに飛躍していきたいと思います。

千駄木の風

  • 秋の花と言えば、七種(ななくさ)、コスモス…金木犀の香りがどこからか漂ってくるのもいいものです。お茶の花が夜の闇にぽわっとまあるく白く浮かんでいるように見えるのも可愛らしいです。夏が終わり、どことなく寂しい季節に咲くからでしょうか…秋の花たちは儚く優しい感じがします。

Aさんとの思い出

  • Aさんは元看護婦で、きょうわの母体である協和会を支えてくださった一人です。数年前に体調を崩し入院治療後、きょうわにて平成24年秋より訪問看護のサービスを始めることになりました。訪問した時には、たくさんの話をしてくれました。戦争中は産婦人科で働き、空襲のときには赤ちゃんを抱いて防空壕に逃げたこと、相撲や野球が好きで観に行ったこと、協和会の仲間と旅行に行った思い出など、楽しいときには手を叩いて笑い、よく2人で大笑いしました。
    部屋の中もきちんと片付き、ベッドシーツは皺ひとつなくきれいに敷かれ、テーブルの上には、毎日飲む薬と水が置かれていました。
    そんなAさんでしたが、高齢ということもあり今年に入ってからは一人で居ることの不安を訴える事が多くなり、「もっと早く施設に入ることや自分の最期を考えておけばよかったのよ」と話し、実際に施設見学に行きましたが、気に入らず断ってしまいました。本当は自宅で最期まで過ごしたいけれど、誰もいない不安な気持ちを自分でもどうすることもできなかったのでしょう。訪問を終えて帰る私を見送る顔がとても寂しそうに見えました。

    夏の終わり頃には体調を崩し、緊急入院しました。入院中は、笑顔で談笑する姿もみられましたが、病状は思わしくなく、医師からの病状説明に“積極的治療はしない”という自分の意思をはっきり伝えていました。

    危篤状態になってからはベッドサイドで手を握りながら一緒に過ごしてきた思い出を話し続けると、一人でないことを確かめるように時々目を開けました。「ここにいますよ、1人ではないですよ」と声をかけると安心したように目を閉じ、何度も繰り返しながら、最期は眠るように息を引き取られました。穏やかなお顔でした。後から病棟の看護師さんが「昨日までは点滴が終わると『おーい。点滴が終わったよ~』って教えてくれていたのですよ」と話してくれました。

    96歳1ヶ月、Aさんは最期まで看護婦として生きたのだと胸が熱くなりました。Aさんとの思い出を胸に、少しでもAさんに近づけるよう看護師を続けようと思いました。私の心の中でAさんはずっと生き続けています。

訪問ステーションきょうわに入職して

  • 今回、学生の時から気になっていた訪問看護の世界に初めて足を踏み入れることになりました。ご縁があって、こちらのステーションにお世話になります。千駄木の歴史のある素敵な街や、きょうわの明るく和やかで素敵なスタッフさん達と共に働ける事が楽しみです。まだ看護師歴8年ですが、これからたくさん学び、訪問看護の世界を知っていきたいです。よろしくお願いします。
    看護師 山本 みずき

第59回地域交流セミナー
在宅での経皮経肝胆道ドレナージの管理の仕方、注意点について

  • 令和元年9月26日(木)やよい在宅クリニック院長水口義昭先生から「在宅での経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD/PTGBD)の管理について」講義がありました。

    経皮経肝胆道ドレナージとは簡単に言うと胆汁を外に出すチューブのことです。腫瘍や結石などにより詰まってしまった胆管内の圧力を低下させるために管を右の胸の横辺りから刺して肝臓を経由し胆管に留置して溜まった胆汁を外に出します。略語の意味は胆管(胆道)に入れるものを⇒PTCD、胆嚢に入れるものを⇒PTGBDと言います。

     
    胆汁を外に出すチューブ(PTCD/PTGBチューブ)が入っている時の注意点として排液量が急に減ってしまったり、排液の色が赤くなったり透明になったりしたら注意、生活していて抜けてしまうのを防ぐためチューブの止め方に工夫が必要です。チューブが屈曲して閉塞しているようだったら管をつまんで流れをよくする方法も教えていただきました。一番の注意点は熱が出た場合で、常に胆嚢炎を疑い抗生剤などの早急な対応のため医師への連絡が必要です。まずは報告して下さいとの事でした。

    今回のセミナーでは、看護師、介護士等専門職の参加が多くみられました。セミナー内では動画を交えながらの説明だったため、とても分かりやすかったと感想をいただきました。

季節のたより

  • まもなく冬!心不全には気を付けて!
    あと10日で11月。秋も終わり寒い冬がやってきます。冬は家の中と外での寒暖差も激しくなり、心臓に負担がかかって心筋梗塞などの心疾患になりやすい季節。特に高齢になると心臓への負担が思わぬ急変を招くことも…。
    厚生労働省の調査によると11月~3月の心疾患の死亡者は6~9月の2倍になるそうです。意識して予防し、元気に冬を乗りきりましょう!

    <心筋梗塞などの心疾患予防方法>

    ・外出の際は暖かく
    暖かい所から急に寒い外に出る時は、コートやマフラー、腹巻などで防寒しましょう。

    ・屋内でも寒い場所あります。注意!
    暖房をつけている屋内でも、トイレや脱衣所などは寒くなりがち。脱衣所に暖房をつけるなど設備の工夫を。


    ・入浴前後は特に注意
    浴槽に入る前は、足元から体にお湯をかけ、体をならしましょう。浴槽から出る時は、浴槽に浸かっている時に浴室のドアを開けるなどし、体を寒さにならすようにしましょう。


    ・アルコール、たばこは控えめに
    アルコールやたばこは血管に悪影響を及ぼします。控えめにしましょう。

  • 協和会の動き
    11月21日(木)
    18:30-20:00
    「在宅医療について」
    日本橋かきがら町クリニック 在宅医療部長 前田 誠造先生
  • 編集後記

    今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます!栗の実のなる季節に皆さまに、実り多きことをお祈りします。次回の協和会ニュースもよろしくお願いします。

  • 入会のご案内

    協和会は、看護職・介護職の研修をとおして 資質を高め、地域の人々の健康の保持増進を図る団体です。

  • 正会員

    年会費:10,000円
    協和会の趣旨に賛同いただける保健師・助産師・看護師・准看護師・ 介護福祉士ホームヘルパー

    賛助会員

    年会費:3,000円
    協和会の趣旨に賛同いただける個人又は団体

    お問い合わせ先

    一般社団法人東京在宅看護協和会
    訪問看護ステーション・居宅支援事業所 きょうわ

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